年間第33主日 2024年11月17日
先に下記リンク先の聖書箇所を読み、黙想してから動画をご視聴いただくことをお勧めします。
第1朗読 ダニエル 12章1~3節
第2朗読 詩編 16章5、8、9節
福音朗読 マルコによる福音書 13章24~32節
<お説教要約>
今日の福音書は、世の終わりについての話です。典礼暦の終わりに近づき、教会としては、世の終わりについて黙想する習慣があります。今の私達の時代に、この話は更に大切だと思います。キリストがここで言っている様に、いちじくの木から教えを学びなさい、と。その徴、他のところで言います。「今の時を見分けるように」、また「目を覚ましていなさい」という表現も使います。それが意味するのは、多くの人がまるで眠っているかの様に生活を送っている。眠っている間は周りのことは余り解らない、気づかない、意識しない状態です。多くの方は自分がどんな時を過ごしているのか、この世の中の動きとかに気づかないでいます。特にキリストから見れば、特に霊的な見方をしていません。神様は私達に、今の時代にどんなメッセージを与えているのか、を考えようともしない。それは眠っていながら生活をする生き方です。ですからキリストは目を覚ましていなさい、と戒めます。
私達の時代はかなり困難な時代です。今日の福音では、その様な日はこの様な苦難の後に来る、と。「その様な日」とは、今日の福音はイエズスの再臨のことを伝えています。そこまでいっていなくても、でも苦難の始まりは見られます。今日の福音の箇所の前のマルコによる福音の13章を読むと、ここで話している苦難の話が出てきます。それはキリストが近づいている徴になります。この世、この世界にもっと明らかに介入する時期を迎えようとする徴です。それを、キリストが話している苦難を私達が迎えようとする徴は幾つもあります。
13章の前半の所は、「まず福音は全世界に伝えられる必要がある」と。実際に私達の時代はそうであります。全員がキリストを信じるとまでは言っていませんが、述べ伝える、と。今は世界中の殆どの人はキリストのことを聞いたことがあります。そういう世の時代になっています。
また聖パウロがテサニロケの手紙で話している様に「神に対する反逆が起こる」のです、苦難を迎える時代に。それも現在見えています。反逆は主を信じていた人が信仰を捨てて、キリストから離れることです。日本人の様に、国民や民族としてキリストを信じていない民族は、キリストを捨てることもできない。これは特に、ヨーロッパやアメリカのことを指しています、キリスト教国です。国民として民族として、キリストを受け入れて何世紀も経って、文化の根底になった程の人達、民族、そこでは今明らかにキリストを捨てています、信仰から離れて。それは神に対する反逆が明らかになっている、それは、もう一つの徴。
次に、聖パウロが言っている反キリストですが、反キリストの登場の一つの条件は「反キリストは全世界を支配する存在」として聖書に示されている。今までは技術的にそれは不可能でした、世界はあまりにも広くて。全部統一することは技術的にできなかった。今、私達の時代に、それも可能になりました。今の技術によって、できます。すべて、全世界を支配してコントロールできる、それ位の力は現在の科学と技術が持っている。それも一つの徴。
それに多くの信者ではない人も、今の世の中は本当に画期的な変化を迎えようとする、と感じている。専門家も今後のことは非常に警告している。大変なことになる恐れが本当に大きい、その可能性は高い。中でも、第三次世界大戦が勃発する可能性がかなり高い。その様な苦難が目の前に見えるところでは、キリストの言葉が私達の支え、導きになります。
ここでキリストが言うには、まず神様はその苦難の時期を縮めてくださった、自分の選んだ人の為に。キリストを信じる人、身を委ねる人を主は護ってくださる。キリストは同じ13章で言います「最後まで耐え忍ぶ人は救われます」。だから、耐え忍ぶことはすごく重要です。
この話は、恐怖を与えるより「今の時を見分けて、目を覚まして、今の時に合っている反応をキリスト者としてできる為の」今日の御言葉なのです。どうすれば良いのかというと、真剣に考えると良いです。例えば自分があと一年後にこの世にいないと、その様な知らせ、末期癌でなくても今の世の中ではその可能性はあるのですね、自然災害も増え、戦争の恐れもある。大きい破滅が訪れたら、私達の中には死ぬ人もいる可能性は確かにある。ですからそう考えたら、今の生活と生き方はどう変わりますか?今の時を生きる為の、何よりもの準備を考えることになります。
キリスト者なら何よりもキリストのことを考える筈です。自分とキリストとの関係、自分の信仰のあり方、もっとキリストに近づき、信じて信頼しよう、と。身を委ねようと、心を強めることに力を入れるべきです、特にこの時期。そうするなら主の力によって私達はもっと耐え忍ぶこともできます。それに騙されること、惑わされることもないでしょう。それが、私達がこの時を見分けて、目覚めて、今大切なことは何よりもキリストとの関係を大切にする歩みをするなら、私達は確かにキリストに選ばれた者として、主に護られてこの様な苦難を乗り越えることができます。