来月の10月2日から27日までシノドスの第2セッションがローマで開催されます。カトリック信者の中でシノドスに対する関心はあまり高くないように見受けられますが、正しく理解するためにその特徴と注意点を説明したいと思います。
特徴1:従来のシノドスより教会の「総会」みたいなものです。本来のシノドスはある地方の司教たちが集まって共通の問題について議論して方針を決めた会議でした。第2バチカン公会議の後で教皇パウロ6世はそれを教皇の諮問機関として全世界の司教の代表による会議に切り替えました。教皇フランシコはそれを更に広げて、司教だけではなく修道者と信徒の代表も加える会議にしました。そして準備として世界中のなるべく多くのカトリック信者から意見を求めました。
特徴2:第2バチカン公会議後のシノドスはテーマについての見解発表と司教同士の話し合いもありましたが、今回は[聖]霊における対話がもっと中心になりました。大船教会で行われているみ言葉の分かち合いに似ていますが、分かち合いの間に沈黙のうちに祈る時間をとって、話された内容について聖霊がどのように私たちを導いておられるかの「識別」を試みることも取り入れています。今回のシノドスの一つの目的はこのやり方が全世界のカトリック教会に広がるように奨励することです。
注意点1:「総会」みたいなものと言っても、相変わらず諮問機関ですので、教皇様が権限を与えない限り決定権はありません。
注意点2:神の民が聖霊に導かれて益々み心に適う教会になるために識別がとても重要ですが、今回みたいに個人のためではなく全世界の教会のために識別しようとすることは簡単ではないです。教会は2000年ぐらいの歩みの中で特に二つの基準に基づいて識別してきました。1) 聖霊はキリストのものを受けて告げる方です(ヨハネ16章14節を参照)従って教会が聖書を正しく理解するために聖霊に導かれて宣言した教義に反するものは聖霊からのものではないです。2) 聖霊の導きに従っているどうかはその結ぶ実によって分かります(ガラテヤ5章16節~26節を参照)それなら聖霊の実が特に現れた聖人たちの模範と教えは大切な基準になります。シノドスは教会の刷新も目指していますが、今までの教会の全ての刷新はキリストに対する愛に燃えてキリストに徹底的に従おうとする聖人たちの影響で起こりました。聖霊はキリストが歩まれた道以外に何の道も示されません。