図書室より 新着本情報(7月)

7月の新着本の紹介です。

*キリスト教の100聖人 -人名でわかる歴史と教え-  島田裕巳  幻冬舎新書

数多くの聞き覚えのある名前を手がかりに、歴史だけでなく教義や宗派の秘密にまで迫る画期的な一冊。一般の日本人の宗教学者の立場から、世界最大宗教の面白さ、深さ、謎を読み解く。

 

*心をたがやす  横田南嶺(臨済宗円覚寺派管長)&前田万葉(カトリック教会枢機卿) かまくら春秋社

仏教とカトリックそれぞれの代表が、自身の信念とする仏典の言葉と聖書の言葉を紹介し解説する、簡潔で読みやすい一冊。挟み込まれる挿絵も、ユーモアに満ちていて楽しい。

続く対談の中で、枢機卿が「横田管長さんの「仏典の言葉」はとても直に私たちを納得させてくれる。こういう素晴らしい教えをキリスト教も謙虚に素直に触れていかないといけないなと強く思いました」と褒めれば、菅長は「聖書の言葉はあまりに高く道徳過ぎて隔たりがあるように思っていたのが、枢機卿の解説を読むと一層身近に感じることができて、これが大きな印象でした」と応ずる。一つの言葉が、一つの出会いが、心をたがやし実りある人生へと導く。

 

*イエスは四度笑った  米田彰男 筑摩書房

聖書のどこにも、イエスの笑いは出てこない。歴史の中に生きたイエスは、本当に笑わなかったのか?1970年代に発見された『ユダの福音書』においては、イエスは四度、しかも大いに笑っている。それが何を意味するのか、イエスはいったいどんな時、どんなことに対して笑われたのか?『寅さんとイエス』の著者であるカトリック司祭が、疑問の解明に向けて船出する。

イエスが私たちに啓示している父なる神もまた、イエスのようにユーモアと笑いに満ちた方だとすれば、天災や戦争で冷え切ったこの世界に生きる私たちの心にも、何とか最期まで生き抜く希望の光が灯るに違いないと著者は語る。