図書室より 新着本情報(6月)

6月の新着本の紹介です。

*識別―教皇講話集  教皇フランシスコ カトリック中央協議会

2022年から2023年にかけて行われた、識別に関する連続講話。

「自分の仲間や考えの同じ人だけを大事にするのはやめてください。誰もが入って来られるようにしてください。外へ向かう人でいてください。問われる人でいてください。人々の問いを自分ごととして受け止められるようでいてください。ともに歩む人でいてください。」

時にユーモアを交えながら、人生の折々に、なすべきこと、知るべきものを見極める、識別の恵みを願う教皇と、ともに祈りたくなる小冊子。自分の心の声を聞き、互いに耳を傾け合うことによって到達する真の安らぎとは、わたしたちの中に、心地よい感覚を生み出す平和であると説く。

 

*境界を越える神の救いの計画 ―宗教間対話の新たな地平へ―  カブンディ・オノレ オリエンス宗教研究所

神の救いの計画が、どのようにすべての人に及んでいるのかという根本的な問いかけを中心に考える一冊。

「今日、神の救いがどのように人間に届くのか。イエス・キリストを知らないままこの世を去る人、またキリスト教に属していない人々は神の救いの計画から排除されているのか。そうでないとすれば、どのように神とつながっているのだろうか。」

更に、日本での福音宣教と宗教間対話の実践について、コンゴ民主共和国生まれの司祭である著者は、アフリカでの経験をもとに、日本の文化の中でキリスト教のメッセージをどのように伝えることができるか、現代の福音宣教に求められる教会の役割についても考える。

 

*『ふしぎなキリスト教』と対話する  来住英俊 春秋社

2011年に二人の社会学者によって書かれたキリスト教の解説書『ふしぎなキリスト教』は、異例のベストセラーになった。これは一般の読者が宗教に関心を持ち、自分の生き方の問題としてキリスト教の言うことも聞いてみようということだと捉えた著者は、カトリック司祭の立場からベストセラーに対する批判本として、時に「よく言ってくださいました」、時に「そこはね、違うと思いますよ」と機嫌よく対話する。今一度、キリスト教への素朴な疑問、誤解、核心を丁寧に解説する入門書として楽しく読み進められる。