図書室より 新着本情報(5月)

5月の新着本の紹介です。

 

*使徒的勧告 信頼の道-聖テレーズ生誕一五〇年を記念して  教皇フランシスコ カトリック中央協議会

「わたしたちを愛である神へと導くのは信頼、ただ信頼だけです。」(聖テレーズ)

わずか24歳で地上の生涯を終えた聖女について、教皇フランシスコは、「日常生活のもっともささやかな出来事のうちに、小ささの中で愛を生きた」と称える。「複雑な時代に、彼女は単純に生きること、何よりも愛が大切であること、そして神への信頼と委託を再発見させてくれます。」

更にその現代性について、「自らの内に引きこもり閉じこもってしまう時代に、テレーズはイエス・キリストと福音の魅力に引き寄せられて宣教へと出て行くように招いています。」激動の現代を共に歩む神の民全体に宛られた、重要なメッセージである。

 

*ヘンリ・ナウエン傷ついた癒し人 新版  渡辺順子[訳] 酒井陽介[解説] 日本基督教団出版局

「主は来られる―明日ではなく今日、来年ではなく今年、私たちの惨めさが過ぎ去ってからではなく惨めさのただなかに、ほかの場所ではなくまさにこの場所、私たちが立っているこの場所に。」

「私たちは自分の傷を隠す必要も、否定する必要もない。むしろこの痛みを通して、隣人とともにあることができる。そう気づくとき、痛みは希望のしるしに変わる。」

初版から半世紀以上経ってなお、多くの人々の心のひだに触れ続けるヘンリ・ナウエン。この第二版は、「私たちの孤独や傷が力と恵みに変容され」、私たちを「福音的な癒し」の旅へといざなってくれる。

 

*信仰万華鏡 ―カトリック時代エッセー  川村信三 サンパウロ

「一人のキリスト者が「混乱」の中に、歴史のさまざまな事象を心の拠り所として、確かに生き、そして希望を持ち続けていたということが、ほんの少しでも「証し」できればと願ってやまない。」

著者の前書きで始まるこの書は、カトリック新聞に連載された「時代エッセー」を1冊に纏めたもの。目次をざっと見ても、「今よみがえる殉教者の姿」、「『沈黙』についての違和感」、「「地方教会」の歴史と日本宣教」、「パンデミック」、「長崎、450年後の再生」、「主の受難の道」、「最初の日本人司祭のこと」など、まさに信仰万華鏡!中でも、来日時の教皇フランシスコと前イエズス会総長ニコラス神父との「最も静かで意義深い再会、そして惜別」は圧巻。