図書室より 新着本情報(11月)

11月の新着本の紹介です。

 

*老い-人生の完成へ  ヘンリ・ナウエン 日本キリスト教団出版局

老いることは「闇へ向かう道」なのか?「光へ向かう道」なのか?人間の根源的な弱さ、渇き、痛みという問い続けたスピリチュアリティの実践思想の続きです。混迷した現代の「預言者」的なメッセージとして響いています。

まず、「どうして多くの老人が疎外感をいだくのか」という問い、次に「幸運な少数派と読んでいる人々にとっては、どうして老いに向かうことが光になるのか」という問いについて考えます。第一の問いより第二の問いの方がむずかしいのです。生身の人間には、苦痛の方が幸福よりわかりやすいからです。しかし闇の虜でなく、光の子になりたいと願うなら、闇に捕らえられていない老人たちが隠し持っている、この神秘に近づくことです。

 

*どちりなきりしたん  海老沢有道校註 岩波文庫

「どちりなきりしたん」とは、キリスト教の教義を問答形式で解説した教理書です。万人に教えを説くために平易な俗文体が用いられており、当時の南蛮文化の興隆を伝えるとともに、国語資料としても価値が高いとされています。

 

*クリスマスの天使  作・絵:エルゼ・ヴェンツ-ヴィエトール 徳間書店

クリスマスまであとすこし、十人のちいさな天使が空をとんでいました。雪の野原に、おなかをすかせた動物たちを見つけると、一番目の天使が舞い降りて、動物たちに食べるものをあげました。年をとってからだが弱っているおばあさんのためには、二番目の天使が舞い降りて、クリスマスツリーを用意してあげます。迷子の子どもをおうちに送ってあげたり、働き疲れて眠ってしまった子どものために、針仕事をしてあげたり…十人の天使が、ひとりずつ、困っている人たちに、そっと助けの手をさしのべる、心あたたまる絵本です。

ページの上にとびだした、愛らしい天使の顔。ページをめくるたびに、歌う天使の愛らしい顔が、ひとりひとり見えてきて、歌いかけるように感じられます。


【図書室係からお知らせ】

図書室の開放ルールを見直しました。以前のお知らせで「自主管理」と宣言しましたが、毎週日曜日の10時30分から11時30分をコア時間として、係メンバーが図書室の鍵を開けることにしました。聖堂の階段に「図書室は開いています」表示板を出し、開放状態が一目で確認できるようになっています。その他時間帯の「自主管理」も継続します。