死者の日ミサ説教 2021年11月2日

 

第1朗読:ローマ8:31b-35、37-39

福音書:ヨハネ6・37-40

 

今日のミサは、一つは私たち自身の生涯を振り返って復活への希望を新たにするため、二つには既に亡くなった方々のために祈るため、捧げられます。昨日は諸聖人の祝いで天国にいるすべての人を思って祈り、今日は死者の日ミサで煉獄にいるすべての人を思って祈ります。「聖徒の交わり」とは死を超える交わりのことで、天国、煉獄、この世にいる私たちは、共に同じキリストにおいて結ばれています。キリストとの絆は死でさえ切り離すことのできない神の愛そのもので、互いに助け合うよう招かれています。地上にいる私たちはまだ旅の途中なので天国に行けるようにと、既に天国にいる人々に助けと取り次ぎを願います。

  

今日は特に煉獄にいる人々のために私たちが祈る日です。煉獄の人々は既に救われて天国入りが決まっている喜びのうちにあっても、まだ清められていないという苦しみがあるのです。最後の清めという苦しみを通って早く天国に行きたいと願っているので、煉獄の人々は私たちの祈りを求めています。ロザリオや聖体訪問の時の祈りなどはこちらの愛の表れであり、同じ兄弟姉妹として結ばれたものが祈りによって互いに助け合うのです。天国に行った人々は感謝して、今度は祈ってくれた人々のために祈る。それが「聖徒の交わり」です。

 

この世で特別の絆を持っていた人、深い関係にあった人のために祈ると同時に、先立ったすべての人のために祈ることは主が喜ばれることです。更に教会は、洗礼を受けていないすべての人のためにも祈っています。死者の記念という意味もあるけれど、主はすべての人の救いを望んでおられます。キリストの言葉を知る機会のなかった人々も、キリストの前に出た時にはこの人が私の救い主だと初めてわかり、キリストの恵みによって救われる。それを熱望している人々であるがゆえに、私たちは祈るのです。

ここに用意された名簿に書かれている故人と納骨堂に眠っている人々のために、そしてすべての人々のためにミサを捧げたいと思います。日本ではキリストを知る機会のなかった人々が多く、私たちの先祖もそうだったかもしれないからです。

 

 

「聖徒の交わり」を生涯の中で意識して、幸いを祈りあいましょう。