11月に図書室に入った新刊をご案内します。
ミサ聖祭 聖書にもとづくことばと所作の意味 E.スリ 田中 昇 湯浅俊治 フリープレス
教会は長い歴史の中で、聖書に由来することばやしるしにもとづきながら、ミサの典礼を整え練り上げてきた。この本はアメリカの聖書学者エドワード・スリ博士によって書かれたミサにおけることばと所作の(典礼学的視点ではなく)聖書学的視点からの考察。日本語のミサ典礼書の改訂版がなかなか出ないため、5年間出版を延期していたが、この度普遍的なラテン語のミサ典礼書に依拠した解説書として出版に踏み切った。ミサの式文は直訳的、学術的な私訳が使われている。読んでいると「こんな意味がこめられていたのか」と次のミサに与かるのが楽しみになる本。
マルティン・ルター ことばに生きた改革者 徳善義和 岩波新書
ことばに生きた人、ルターは生涯をかけて聖書のことばとひたむきに取り組み、そして、その聖書のことばをドイツの民衆のわかる言葉ドイツ語に翻訳した。免罪符(贖宥状)への疑問から起こした行動は、彼の意図をこえて、キリスト教の世界に新しい潮流を作り出し、やがて新しい時代への扉を開くことになった。
ルターの文書のほとんどすべてを日本語に訳した徳善師による読みやすいルターの伝記。
希望する力 コロナ時代を生きるあなたへ 晴佐久昌英・片柳弘史 キリスト新聞社
第1章は聖霊降臨の日に行われたオンライン対談「不安な時代をどう生きるか」。2&3章はおふたりの時代へのメッセージ、片柳神父の「恐れるな、愛せよ」と晴佐久神父の「コロナ時代の教会論」。
語られたキーワードから:今は試練の時でもあるが気づきの時でもある。祈りは究極のテレワーク。大荒れの湖で「なぜ恐がるのか、まだ信じないのか」とおっしゃったイエスさま。恩寵のウィルス、新しい信仰様式と新しい宣教様式、答えのない「なぜこんな目にあわなければならなのか」という問い。それでもそれでも希望することをやめないことetc.
ひと時の黙想 主と歩む365日 マックス・ルケード 日本聖書教会
著者はアメリカの牧師・作家。著書は絵本を含めて100冊以上におよび、ベストセラーになったものも多く、アメリカでもっとも人気のある作家と言われる。この本は一日1ページの日めくりで、聖書の言葉にルケードの著作から集めた文章を添えたもの。深い信仰がまっすぐこころに届く言葉で語られる。
クリスマス・キャロル〈新装版〉 チャールズ・ディケンズ
【絵】R.インノチェンティ 西村書店
クリスマスの夜、ケチで強欲で冷酷なスクルージは、3人の精霊に導かれて自分の過去、現在、未来を見せつけられます。ディケンズ(1812‐70)の時代の風俗を彷彿とさせるインノチェンティの挿絵で、170年前の話が楽しく読み進められます。訳はもき かずこ。