図書室より 新着本情報(10月)

 

10月に図書室に入った新刊をご案内します。

  • 教皇フランシスコ ~教会の変革と現代世界への挑戦~  森一弘 サンパウロ森名誉司教は教皇フランシスコに魂全体を揺り動かされるような魅力を感じ、ぐいぐいひきつけられるという。教皇の親しみやすい、どんな人の心にも届く言葉、教会全体の変革を求める姿勢。現代社会の中で、もがき生きる人々の痛みに共感し寄り添う、生きた信仰生活への呼びかけ。「教皇が、どのような教会を目指そうとしているのか、そのために教会の何を変えていくことを求めているのか」を使徒的勧告や発言から読み解いた一冊。『福音の喜び』『愛のよろこび』『ラウダート・シ』のまたとない解説書にもなっている。

  • 喜びと出会うとっておきのはなし  ギュンタ・ケルクマン ドン・ボスコ社
    ドイツに生まれ、25歳で来日したイエズス会の神学生は、その後50年を日本で過ごすことになる。様々な要職について多忙な毎日を送り、白血病で亡くなる2日前まで教会で普段どおり仕事をしていたという。悲しみや苦しみは「神さまにあずけて」快活に生きたケルクマン神父の読みやすく、心温まるエッセイ集。

  • 遠藤周作と井上洋治 ~日本に根づくキリスト教を求めた同志~  山根道公 日本キリスト教団出版局
    1950年、フランス行きの四等船室で出会ったふたりは、生涯を通じてお互いの最もよき理解者となった。「西洋キリスト教というダブダブの洋服を日本人である自分の身体に合わせる」ことを考え続けた遠藤。「なんとか日本人の心情で日本人の琴線をふるわせる形でイエスの教えをとらえなおせねば」と模索を続けた井上神父。私たちにとって避けては通れない問いかけがここに凝縮している。著者は遠藤周作の研究者にして「井上洋治著作選集」の編者。

  • キリスト教と日本人 ~宣教史から信仰の本質を問う~  石川明人 ちくま新書
    ザビエルに始まる16世紀のキリスト教との出会い、その後禁教期をへて、明治時代以降にはキリスト教は日本の教育や近代化に貢献したが、日本人のキリスト教信者の率は1%にとどまっている。なぜキリスト教は日本に根づかないのか。マイナスに働いた宣教師たちの言動やキリスト教を拒む日本の土壌や宗教的心情を検証し、西洋文化がこれだけいきわたった今なお信者が増えない現状を考えつつ、「信仰」とは何なのか、「宗教」とは何なのかを問い直す。