図書室より 新着本情報(10月)

 

10月の新着本の紹介です。

*ユダよ、帰れ コロナの時代に聖書を読む  奥田知志 新教出版社

著者は日本バプティスト連盟東八幡キリスト教会牧師、ホームレス支援のNPO法人抱樸代表。コロナで緊急事態宣言が出された2020年4月から7月までの15の説教が収められている。聖書の言葉に普通とは少し異なる角度から光を当て、新たなメッセージを読み解き、語る。長年ホームレス(=社会的に孤立した人、居場所のない人)と食べ物を分かち合い、話を聞き、住む場所を世話し、見舞い、看取り、葬式を出してきた活動に裏付けられた言葉は、熱く重い。

 

*アンジェラスの鐘-希望への招き  加藤美紀 オリエンス宗教研究所

「父 加藤一二三との楽しい対談を収録」との宣伝文にひかれて即購入決定。まず対談から読んでしまいました。楽しく読んでいるうちに、いつの間にかひふみんの信仰の深さとおおらかさに感化されてゆくようです。本文は人間教育に携わるシスターが、聖書、フランクル、ヒルティなどをヒントに、希望への道筋をたどるエッセイ集。『福音宣教』に連載されました。最初に入った修道院での挫折と立ち直りの経験を中心に、心理学的な考察や個人的な導き、信仰体験から、人生にとって希望がいかに大切かが繰り返し語られています。

 

*インディオの聖像  文:立花 隆 写真:佐々木芳郎 文藝春秋

今から30年以上前に立花氏は写真家の佐々木芳郎氏とともに、南米のブラジル、アルゼンチン、パラグアイを訪ねた。そこにはかつてイエズス会宣教師とグアラニ・インディオたちがともに作り上げたユートピアのような伝道村(レドクシオン)が30以上もあったのだ。スペイン・ポルトガルによる南米侵略とインディオ虐殺の歴史の中で、伝道村の存在は奇跡のように思われる。またインディオたちの創った聖像の数々は、人懐っこい暖かなタッチと表情で見飽きることがない。32ページにわたるカラー写真と、本文中にもたくさんの写真が収められている。