年間第29主日 2022年10月16日

先に下記リンク先の聖書箇所を読み、黙想してから動画をご視聴いただくことをお勧めします。

 

朗読箇所のテキスト(日ごとの福音)

 

第1朗読 出エジプト記 17章8~13節

第2朗読 テモテへの手紙二 3章14~4章2節

福音朗読 ルカによる福音書 18章1~8節

 

<お説教要約>

今日はキリストがもう一つの喩え話を話します。今日の箇所は、他のところに見られる「まして」という形の譬えです。当時のユダヤ人の中で教えるためによく使われているものだったと言われてます。一つのことを、人間のことを取り上げてこうでしょうと言って、それならまして神の場合はこうでしょう、というような教え方です。だから今日のキリストの譬えは比べているのです。人間と神のことで、キリストは教えます。不正な裁判官でも根気負けをしたら正しい裁きをする。まして、神は慈しみ深い、正義の神は正しい裁きを行うに違いない。それは私たちが主なる神に対する信頼を持つために、という教えです。一番最初の一節にもあるように気を落とさずに絶えず祈る、そういう信頼をもって祈ることを教えています。でも問題はその後のことです。

 

というのは主は必ず正しい裁きを行います。ここにもあるように、いつまでも放っておかれることはない。ただ人間の目から見れば放っておかれているように感じる場合があるのです。そこで気を落とす恐れがあるのです。そういう放っておかれることの時でもキリストが教えた信頼、確信を持って祈り続ける、歩み続けることの大切さをここで教えられています。

 

そうしないとキリストが最後に言ったように、人の子が来るとき果たして地上に信仰を見出すだろうか。人の子が来るときは最後の時、キリストの再臨、最後の審判の時、世の終わりに信仰を見つけるでしょうか。主なる神は必ず正義を行います。正しい裁きを行います。でも人間は必ずしもずっと信じ続けるとは限らないです。実際に私たちの時代ではそれがよく見られると思います。一般的に信仰が薄くなったことは本当に感じます。もちろんまだ熱心な人もいるんですけれど、全体的には信仰が薄まっているという感じがします。実際に私たちの時代は結構危ない時代です。キリストがこの譬えを話した時は昼も夜も自分に呼び求めてる人、自分の選ばれた人、その大変な時期です。迫害などのことがある、その中で神を求めているのです。その人に対する慰めというか、信頼、確信を持つために譬え話をしています。

 

でも実は私たちもそういう当てはまるところはあると思います。今の世界の状況を見れば本当に危ない時期です。特によくみんなが注目しているウクライナの戦争、これは多くの場合は、犠牲者はかわいそう、プーチンがどうしてそんなに悪いことをしたか、色々そういう気持ちは、そのためにも人も祈ってるのです。でもその危険性は十分気付いてないのです。その関係でヨーロッパも今経済的な危機に入るところです。それだったら世界中の経済的な大きな問題になるのです。でもそればかりか、それよりもっと恐ろしいことは、もしかしたら核戦争に発展するんじゃないかという恐れがあるのです。プーチンは核兵器を持ってます。追い込められたら、もしかしたら核兵器を使ってしまうんじゃないかという恐れがあるのです。核戦争になったらそれこそ大変なことです。そう考えたら結構怖い思いをするでしょう。

 

でも怖がらせるための言葉ではないのです。むしろ私たちもどれほど祈る必要があるか、強調するために、今の私たちの時代に、そしてキリストが教えてくださったようにその祈りの力、神様の働きですけれども、例えば、聖母マリアを通して主の計らい、その力も働かれることは、歴史の中で見られています。一つ最近私が知ったことは、あの第二次世界大戦の終わりにソビエト軍はオーストリアにも進軍しました。オーストリアの一部はロシアの支配下になってそこも東ヨーロッパのように共産党の政府を押し付けることでした。でもオーストリアの人たちは、特にペトロ神父様という一人の司祭が立ち上がってみんなに呼びかけて、ロザリオの祈りを唱えるように、そして自分も回心するように、やがて七万人がその自分の回心に努めて、毎日世界平和オーストリアの自由のために、罪人の回心のためにロザリオを唱えて祈っていました。行列もしました。すると、何と六年経ったらソビエト軍は自ら何の脅迫なく引き上げたんです。オーストリアは自由になったんです。それは唯一の例です。進軍したソビエト軍が自ら引き上げた唯一の例です。そしてそれはやはりその主なる神の力、この場合は特に聖母マリアを通して働かれた例です。

 

私たちも同じように危機、危ない時期を迎えているから、それに倣って、私たちも自分の回心に努めて、特にロザリオの祈り、十月はロザリオの月です。ロザリオの力は大きいです。自分の回心に努めて世界平和のためにロザリオを毎日唱えるように、今の時期にはとても必要なことです。今の状態から人間の力だけでは、救いはないと思います。聖書全体の教えでもあるのです。神の民はずっと心から回心に努めて主の助けを求めたのです。旧約時代から今日に至るまでです。