図書室より 新着本情報(10月)

 

10月に図書室に入った新刊図書をご案内します。

 

*キリスト教の核心を読む  山本芳久  NHK出版

旅するように「わたし」と出会う

基礎を学ぶには原点(原典)を知ることが重要と、まず旧約聖書と新約聖書とは何なのかいう解説と読み解き方のヒントが示される。そして「神」という光源を立てることで、その光源なしには浮かび上がってきにくい世界や人間の深みを「旅」という観点から考察していく。聖書のほかに取り上げられているのはアウグスティヌスの『告白』と教皇フランシスコの著作。頭がスッキリ、はっきりするぐらい核心の部分が分かりやすく解説されている。時には間違えながらも「道を歩き続ける人」という聖書の人間像は、現代人にとっても生きるヒントに満ちている。

 

*すべてには時がある  若松英輔・小友聡  NHK出版

旧約聖書「コヘレトの言葉」をめぐる対話

昨年度、放送された「NHKこころの時代 宗教・人生」の番組対談に大幅に加筆したもの。

「空の空、空の空、一切は空である」

「天の下では、すべてに時期があり、すべての出来事に時がある」

プロテスタントの牧師で聖書学者の小友氏と、カトリックの信者で批評家の若松氏がコヘレトの言葉を読み解き、「死や苦しみによってこそ、人生は意味があるものになり」、コヘレトは一貫して「生きねばならない」と伝えていると説く。読みやすく、魂に触れる入門書。

 

*74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろっている  牧師ミツコ  すばる舎

牧師の家に生まれ、牧師の夫とともに教会を運営してきて47年、今は公営住宅で月7万円の年金生活。引退はしたものの協力牧師として説教を受け持ち、高齢の信者さんを訪問し、集会の食事作り、週3日シルバー人材センターでの仕事と張り合いのある生活を送っている。あるものに感謝し、生活を楽しみ、人と交わり、神様に祈るという慎ましい、しかし満ち足りた生活をかいま見ると、こちらまで「なんとかなるわ」という気持ちになってきました。

 

新しく入ったレファレンス本

*旧約聖書略解  日本基督教団出版局

*聖書思想事典  三省堂

*口語訳聖書コンコルダンス  新教出版社