待降節第2主日 2020年12月6日

先に下記リンク先の聖書箇所を読み、黙想してから動画をご視聴いただくことをお勧めします。

 

朗読箇所のテキスト(日ごとの福音)

 

第1朗読 イザヤ書 40章1~5、9~11節

第2朗読 ペトロの手紙二 3章8~14節

福音朗読 マルコによる福音書 1章1~8節

 

お話の要約

今度の日曜日は待降節第二主日です。待降節の流れの中で第二と第三主日は特に洗礼者ヨハネの活動に焦点を当てています。洗礼者ヨハネはキリストの前に準備する役割がありました。私たちはその箇所を読んでキリストを迎える準備をします。これは私たちにも当てはめる必要があります。聖書の言葉は昔の事だけではなく私たちにも向けられています。確かに洗礼者ヨハネの話は2000年も前の出来事で、当時の人に向けられて語られましたが、聖霊の働きによってその言葉は現在の私たちにも向けられています。

 

クリスマスには、キリストがこの世に来られたこと、神の子がこの世に生まれたことを記念します。これは大きな神秘です。単なる大昔の事ではなく現在の事でもあります。今の私たちは洗礼によってある意味で私たちのうちキリストが新たに生まれています。神秘的です。洗礼を受ける前と違って、聖霊によってキリストは私たちの内に生まれています。これは神秘的な誕生です。主の神秘を祝い、キリストが私たちの内に新たに生まれるということを求めて祝うならその恵みをいただくことができます。

 

新たに生まれるとは、たとえば、自分の家で人を迎えるときのことを考えてみると、煩わしい人であれば、門前払いして、早く去ってもらいます。それほど親しくなくても用事があるなら、玄関で立ち話しで終わります。もう少し知り合っている人とか、関係のある人なら、奥に入れてお茶を出して話すこともあります。信用する人や親戚などもっと親しい人であれば食堂まで入れて食卓を囲んで一緒に食事をします。でも多分ほとんどの人はよほどの事でない限り自分の寝室迄は人に入ってもらわないでしょう。つまり、どこまで入れるかはその人との関係に依ります。

 

これを自分の心にあてはめてみましょう。自分とキリストとの関係はどのようなものでしょうか。キリストを信じているなら少なくとも玄関で立ち話しでは終わらないでしょう。もう少し主と親しくなったら心の奥の間に迎えて接待するでしょう。さらに親しくなったら、もっと心の奥まで入っていただいて一緒に食事をするでしょう。心の一番深い、寝室にまで、そこまで主を迎えるには主ととても親しくなることです。

 

私たちは信仰の歩みに呼ばれています。心の奥まで主を迎えるようにという呼び掛けがあります。主が新たに生まれてくださるのです。主との関係が一段一段と深くなっていくとは主が新たに生まれることです。今まで入れなかったところに主が入ってくださるようになることです。

 

そうなるためにここで洗礼者ヨハネの説教はとても大事です。ヨハネの役割は「主の道を整え、その道筋をまっすぐにせよ」というイザヤの預言に基づいています。これが彼の使命でした。これを神秘的な面から見ると、ヨハネが呼びかけるのは私たちが主に通じる道を整え、主がもっと奥深いところまでまっすぐに入れるように心を整えることであって、私たちに向けられています。そうするためにはヨハネが言うように回心する必要があります。主を信じているがまだ主に全く身を委ねていない、これは皆のことですが、それではどうやったら主をもっと心の奥深くまで迎えられるのでしょうか。それは主が入るのを妨げているものを取り除くこと、主の道をまっすぐにすることです。

 

今、現在ヨハネの説教を聞いている私たちは、まず自分の立場を考える必要があります。主とはどのぐらいの親しさがありますか。玄関先の立ち話か、客間での接待か、食卓を囲んで一緒に食事をするくらいか、または、すべてを委ねて寝室まで入っていただけるでしょうか。まだそこまで行っていないなら、何が妨げなのでしょうか。主が心の奥底まで入るのを妨げているのは何でしょうか。自分が抵抗しているのはどこにあるのか、それは自分では気付きにくいかもしれませんが、それをこの待降節に主に祈り、教えてくださるように求めて生きるのは良いことです。自分が主をもっと深く迎えられるように祈ったらよいと思います。

 

主がこの世に生まれてくださったのは一人ひとりの心の奥深く入り、私の内に住むため、エンマヌエル、私と共にいてくださるためでした。主はそれを望まれるからこの世に生まれてくださいました。主が心の奥深く底に入れるように主から教えていただき、どこで自分が抵抗しているのか、どうやってもっと心を開くかを教えてくださるように願いましょう。これを主に聞くなら主は喜んで教えてくださいます。それで私たちも新たな心で喜んでクリスマスを迎えることができるでしょう。