図書室より 新着本情報(9月)

 

10月に図書室に入った新刊をご案内します。

  • ぬくもりの記憶  片柳弘史 教文館
    なつかしい故郷の風景、園芸農家だったお父さんのこと、10歳の時にテレビでマザー・テレサの活動を知り、こんな人になりたいと思ったこと、ボランティアで出かけたインドで、マザーから「あなたは神父になりなさい」と言われたことなど。穏やかなぬくもりを帯びた思い出から紡ぎ出された、ラジオ放送「心のともしび」の原稿。1篇が見開き2ページのエッセイ集。

  • 司祭I リバスの「わが道」~体験的「うつ」克服のヒント~  イシドロ・リバス 星雲社
    冒頭に「絶望のさなかに希望がある。落ち込み屋さんへ、キリスト教からのメッセージ」という言葉が掲げられている。20年近くうつに苦しんだリバス神父が、自分の経験を踏まえて、治るために必要なものは薬と心理学的フィードバックと信仰だという。うつを引き起こした傷ついた無意識より、もっともっと深いところに、決して損なわれることのない「静かなポイント」があるという。その「神の住む」「いのちの息吹の場」である魂の中心に気づくことが大切だと説く。聖書の引用がことのほか心にしみる。

  • 聖女クララ  マリア・ピエラッツィ 聖クララ会編 ドン・ボスコ社
    1950年に岳野慶作氏によって訳されたものを、今日の読者がやさしく読めるように改訂した版。祈りと清貧と謙遜に生きた聖女クララの一生が、愛らしい幼児期から亡くなるまで、聖フランシスコの活動をからめて語られる。

  • 人の子イエス  カリール・ジブラーン 小森健太朗訳 みすず書房
    イエスの同時代人72人による証言。弟子たちやマグダラのマリアなど聖書の登場人物だけでなく、同じ町に生きていたさまざまな職業の人々、はなから相手にしていなかった人、敵対していた人、イエスの愛にふれたと感じた人など大勢の声で構成され、さまざまな視点から人の子イエスの姿を描いていく。ジブラーンのフィクションなので聖書と異なる部分も多いが、読んでいるとあの時代に生きていたような気持ちになってくる。