「キリストが教会に与えてくださった助け」

1862年にサレジオ会の創立者である聖ドンボスコは予言的な夢を見ました。

 

「私は、海の真ん中にある小さな岩礁にいました。そのとき激しい嵐が起きました。すると嵐の中で、激しく揺れている一隻の強大な船があらわれました。その船には教皇、枢機卿、司教、司祭、修道者たちや、多くの人々が乗っていました。それは聖なるカトリック教会を意味しているのに違いないと思われました。

 

その教会の司令艦のまわりには、多くの強大な船がありました。しかしそれらのほとんどは、敵の艦隊であって、教会の司令艦を激しく攻撃し、大きな損傷を与えていました。ある特に激しい猛攻撃のときに、私は教皇がひどい傷を負って出血し、死んでいくのを見ました。しかし教会の司令艦の枢機卿たちは、すぐに新しい教皇を選びました。もとの教皇の死とその後継者の選出のニュースは、すぐに世界中に広まりました。この新しい教皇はたいへん困難な仕事を引き継ぎました。

 

教会の司令艦は、ひどい損傷を受け、敵の猛威に直面して滅びたかのように思えました。つまり、確かに敵が勝利を得てしまったかのように思えたのです。しかし私はそのとき、突然、暗闇と嵐で荒れ狂った海から、二本の垂直な柱が出てくるのを見ました。

 

一本の大きな柱の上には、大きな白いホスティア(御聖体)があり、その下に”信じる者の救い”と書かれていました。もう一本の幾分細い柱の上には、無原罪のおんやどりの聖母のご像があって、その下に、”キリスト信者の助け”と書かれていました。

 

嵐と暗闇、危険、困難の真っただ中でこの素晴らしい光の柱があらわれたとき、教会の司令艦に乗っていた人々は再び新しい希望に満たされました。そして新しく選ばれた教皇は、司令艦をこれらの二本の柱のほうに進ませるように命令しました。そして教皇は司令艦をその柱につないで、しっかりと固定させました。

 

すると突然嵐がやみ、暗闇は消え、美しく晴れ渡った空に変わりました。わたしはそのとき、敵の船が大混乱におちいり、その一部は互いに衝突して穴があき難破したのを見ました。他の船はあちこちに散らばり、視界から消えていきました。難破した船の多くの生存者たちは、難破船の破片につかまり、教会の司令艦のところまで泳いで行きました。そしてそこで親切に船に乗せてもらいました。」

 

夢というものは象徴的な現象です。文字通りに考えていけません。これと言った出来事より、教会の将来の素晴らしい発展を予言しているか、またはいつの時代にも攻撃された教会の拠り所を示しているかでしょう。いずれにしても、忠実にキリストについていく為の力強い助けが、ご聖体と聖母マリアであることは間違いないです。