3月に図書室に入った新刊をご案内します。
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七十人訳ギリシア語聖書 モーセ五書 秦剛平訳 講談社学術文庫
紀元前三世紀ごろ、アレクサンドリアで72人のユダヤ人長老がヘブライ語写本をギリシア語に翻訳しはじめた。これが「七十人訳聖書」。現存する最古の聖書である。その日本語訳。「七十人訳が文庫本で読めるなんて」と歓迎された一冊。文庫本ながら1196ページ、3000円超。図版もすべて当時のものである。
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エッファタ! 教会共同体のろう者 教皇庁 保健従事者評議会 カトリック中央協議会
イエスは「エッファタ」(開かれよ)という言葉でろうあの男の障害をいやされた。そして今の時代にも、神の声、隣人の声、弱者の声に耳を閉ざした霊的なろうに対して、「エッファタ」と語り続けておられる。2009年の国際会議の記録。ろう者の問題に社会的、教育的、医学的、心理学的、倫理的、霊的、司牧的視点からの取り組みの発表。ろう者自身と家族の体験談も含まれている。
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トマス・アクィナス 理性と神秘 山本芳久 岩波新書
トマス・アクィナス(1225頃~1274)、中世最大の神学者/哲学者の思想を紹介する初の新書。ドミニコ会士であったトマスにとって観想的生活とは、人間の「理性」を超えた「神秘」である神をありのまま認識することであり、その「観想の実りを他者に伝える」ために45巻におよぶ《神学大全》をはじめとする著作を残したのだった。
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今の瞬間 / *罪びとのチャンス (2冊) ヴィクトール・シオン 女子パウロ会
著者はカルメル会士。その生涯は彼が愛し、いつも祈っていた小さいテレーズの霊性に貫かれていた。「今」の瞬間をもっているものは神を持つ…。だから「今」をもっているものはすべてをもつ…。「罪びとであることは」幸運です!それは神を知り、その愛がどれほどのものであるかを知るチャンスを与えてくれます。
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死の準備教育 曽野綾子 興陽館
あなたは死の準備、はじめていますか? 誰にでも平等におとずれる「死」。幼い頃から死を身近に感じ、常日頃から死について考えてきた著者の、小説やエッセイの中から死について書かれた文章を集めた一冊。強靭で、時にユーモラスな文体の根底には、ひとり神と対峙してきた精神がある。