9月に図書室に入った新刊をご案内します。
- 「キリスト教とは何か⑥ 死を超えるもの」 粕谷甲一 女子パウロ会
読みやすいのに、深くて濃い思索の本です。「無私性の極みにおいて、教義の別を超えた超越の光というものがあり、その光が、歴史の中にみことばの受肉として現れ、教会という器の中で、聖霊を通じ、聖書と秘跡の具体性のうちに一貫して働き続けているのがカトリック教会」だと説く。「この世のむなしさを受けとめて、それを虚無化する。イエスの死はその突破口であり、そこに復活(パスカ)があるのです。そして神さまが小さなパンになって人に食べられる過ぎ越しの宴こそ、人知を絶する神の愛の“狂気”です。」
- 「何をおいても聖書を読みなさい」 ジョルジュ・ネラン 南窓社
一生を宣教にささげ、2011年に亡くなったネラン神父。60歳を機に日本のサラリーマンに宣教するために新宿歌舞伎町でバー・エポぺを開店する。信仰とは何かを説く「キリスト教の核心」、宣教62年を締めくくる「愛する日本人への遺書」など。
- 「愛と栄冠 ― 使徒パウロの生涯」 ダニエル・ロップス 女子パウロ会
ありそうでなかった聖パウロの伝記。綿密な歴史に基づいていながら、小説のように読みやすい。リアルに立ち上がる使徒言行録。この本を読むと書簡の朗読がにわかにパウロの肉声で聞こえてきた。著者はフランスのカトリック史家。
- 「ある家庭の物語 テレーズを育てた母と父」 ヨセフ・ピアット ドンボスコ
「神様は私に、この地上よりは天国にふさわしい父と母を下さいました。」リジューの聖テレーズの両親は二人とも修道生活に憧れていたが、まるで聖女を育てる召命を予見したかのように入会を断られ、結婚して敬虔で暖かい家庭を育んでいく。5人の娘たち全員をシスターに育てあげた家庭の物語。癌の痛みに苦しみながらも、子供達に心を配る母親の姿が胸を打つ。
- 「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」 小澤竹俊 アスコム
クリスチャンのホスピス医によるベストセラー。「明日の自分に宿題を残さず、今日を生きる」「人生最後の日に何をするか」「苦しみから、人は多くのことを学ぶ」「2800人を看取ってわかったこと」(目次より)